好きなもの、好きなだけ

舞台やディズニーが大好きなお腐れ夢こじらせ女子

RENTと私

お久しぶりです。

 

前のブログを書いてからというもの、私は転職をしたり、いろんなことがあったのですが。

とにかく前の仕事で、社畜扱いを諸友人や親類からされてきた通り、舞台観劇の為に上京したのに舞台を観に行く暇がない状態にいた私が、転職して暇ができました。

本当に仕事って大事だな。時間として前職で働いていた半分の時間程度も働いていないのに、給料はほぼ変わらない今のお仕事について、日々日々感謝と感動の嵐です。

 

 

さて、RENT2020が始まりました。

私とRENTの出会いはRENT2015でした。

その少し前から観劇にハマった私のRENT知識は、某テニスのミュージカルが好きな友人とカラオケに出かけた際に友人が歌うSeasons of Loveを聞いたことがある程度。

推し君を推すのに必死でほかのミュージカルは毛の生えた知識しかもっていませんでした。

そんな中、友人に誘われたのがRENTでした。

 

RENTってどんなストーリーなんだ?

最初、観に行くことが決まって私がしたのは何もありません。

とにかく観に行こう。とチケットを取って、友人が数回観たいというので私もじゃあ一緒に観ようと気軽に数回のチケットを取っていました。

はじめて観たとき、前知識のない状態で観たのでセリフの速さ、歌の文字量の多さに目が回ってしまった気がします。

ただ、単なるストーリーではなく、メッセージ性のある舞台なのだ、と目が回る中でそのメッセージをしっかり受け取らなければという思いでいっぱいになりました。

 

メッセージといいつつ、ストーリーを理解するのに必死だったので2回目の観劇までにまず内容を理解して挑もうと思い、DVDをTSUTAYAで借りて観たり、アルバムを借りて歌詞を和訳したりと奮闘しました。

 

調べていくうちにどんどんハマってしまって、2015のRENTではエンジェルシートのチャレンジを3回、外れて当日券で3回観るというハマりっぷりで家族をドンびかせました。

 

登場人物たちはいずれもクリエイティブ。元バンドマンだったロジャー、映像作家を目指すマーク、コンピューター哲学のアナーキストであるコリンズ、ストリートドラマーのドラァグクイーンであるエンジェル、クラブのダンサーをするミミ、パフォーマーのモーリーン……。

そんな若きアーティストの生、性、葛藤を描いています。

 

麻薬中毒や、HIV感染者が多く登場し、単に歌って踊って楽しいだけで済まないのがRENT、RENTに出てくる人物たちの魅力につながっていると思う。

 

そんなわけでRENTにどっぷりとハマっていく私ですが、さすがにRENTヘッド*1を自称するのはなんだかはばかられるのでRENTフリーク、くらいにしておきます。

 

2020のRENTの魅力(ネタバレあり)

2015.2017と日本版キャストのRENTを観てきました。

2015,2017共に出演するキャストはそれぞれが各キャラの魅力をそれぞれらしく表現していると感じました。

2020は新キャストも多い中、堂珍さんや光永さん、宮本さんなどの継続キャスト、

加藤さんのコリンズ復活、

平間さんのエンジェルからのマーク転向

とRENTファミリー2度目、3度目のメンバーも多く、安定感も感じられるんだろうかなんて思いつつ臨みました。

 

観劇したのは11/8 ソワレ公演。

マーク:平間壮一さん

ロジャー:甲斐翔真さん

ミミ:遥海さん

コリンズ:光永泰一朗さん

エンジェル:RIOSKEさん

モーリーン:鈴木瑛美子さん

ベニー:吉田広大さん

 

どうしても過去エンジェルを演じていた平間さんのマークが観たくてこの日にチケットを取ってた。

過去2015.2017と村井さんのマークに慣れてしまった私、平間さんのマークはどうなんだろうというワクワクと少しの不安が心を覆っていた。

また、同様に平間さんのエンジェルがかわいらしくて大好きだっただけにRIOSKEさんのエンジェルもまた、どうなんだろうという不安が過っていた。

 

結果として、そんな心配は杞憂に終わりました。本当に役者さんはすごい。最高でした。

 

平間さんのマーク

(平マークとご本人とスタッフさんがTwitterで呼んでいたのでこれ以降平マークと記載する)はお茶目なところを持ちながら、カメラの中(一人HIVでもなく、また一人だけパートナーがいない)に入れないマークとしての苦悩を、どこにもいない自分を、うまくいかない葛藤を見せてくれました。

 

そもそもこのマーク、という役はRENTの主人公です。

ロジャー、コリンズの友人で自称映像作家。

モーリーンをジョアンヌに奪われ、スランプに陥りながら、周囲の友人たちを記録する【観察者】的な存在。

1幕では観察者と言いながら暴動の真下にいた彼は周りの友人たちと共に怒りに震えていたのが、テレビ局に映像を買われ、雇われ、働くうちに観察者はたまた傍観者へ変わっていってしまう。それが2幕のHalloweenでよく表れているんですが、平マークの【やけどするほど燃えたのに】という一節でぶわっと押し寄せてきて鳥肌が立ちました。

HalloweenとWhat You Ownだけでも観る価値あったなぁと思います、ほんとに。

 あと、マークはカメラの中に入れないけれどちゃんと友人たちと友人らしいことはしていると思うんですよ。それが特に顕著なのがLa Vie Bohème。

聞き取れない曲ナンバーワン笑

マークはこの曲中で印象的な歌詞をいくつも歌っていて、(マーク以外の歌詞もすごく印象的なんだけど)茶目っ気のあるマークが見れる歌なんですよ。

その曲の頭、店員に「注文もしないで一日中店内で騒ぐのはやめてくれ」と追い出されそうになるシーン。マークは反論で「嘘だ!嘘さ!こないだ頼んだよ!紅茶!!」とメロディにのせて返す…と店員にすかさず「(お金を)払ってないでしょ!」と言い負かされます。

2020年平マークはその後に続く「そうでした」がそうだけどまぁきにすんな!的な英語歌詞の印象に近いなと思ったんですよね。

英語だとマークはそこで「Oh,yeah」って答える。そこがこの曲で底抜けにふざけられるマークにつながっていると思うので、平マークすげぇ!と思ったわけです。

あと平間さんは拝見するたびに歌がうまくなっていると思う…どこまで行ってしまうのか…。

 

甲斐さんのロジャー。

甲斐さんってSHL以来なんですが、こんなに歌上手だったっけ?!ってびっくりしました。いろんな経験をしていっぱい成長したんだろうなぁ。

ロジャーは元ロックバンドのリードボーカルという役柄なので張りがあり、少しスモーキーな歌声はぴったりだと思いました。

ギターはやったことがあったのかな?少し手元が覚束ない印象は受けたけど、成長速度早い甲斐君なので公演を通して成長しそうな気もしますね。

ロジャーは元カノのエイプリルを亡くしてから人を愛することが怖くなってしまうんですね。

ミミに惹かれている、でもまた大切な人がいなくなるのが怖い…。エイプリルと同じくHIV患者であり、ヘロイン中毒であるミミがエイプリルと重なってしまう。

この逃げの姿勢こそがロジャーがただのお芝居の登場人物ではなく、人間らしく感じる魅力だと思うんですが、甲斐さんの演じるロジャーはこの逃げの姿勢が本当に等身大の若者って感じがするんですよね。

そこにまさにロジャーがいる。

Goodbye Loveでマークと言い合う姿勢やミミから苦しそうに目を背けるところがまさにロジャーの苦悩を表していると思います。

秋は嫌いだ…。のところすごく哀愁感じてよかったです。

ミミといちゃいちゃしてるのとってもかわいいからいいぞもっとやれ!と思いながら見てました。

 

コリンズは昨年から引き続き光永さん。

ロジャーで話したGoodbye loveでコリンズはエンジェルを亡くしたばかりなのに他の友人たちもばらばらになってしまうことに対して悲しんでいる。

その「エンジェルはもういない、君も行くんだね…。」のところが聞くたびに胸がしめつけられてしまう。

席が近いときはその瞬間のコリンズの顔をぜひ見てほしいです。

 

ちょっとエンジェルにもかかってくる話ですが私がRENTのナンバーの中でも特に大好きなI'll cover youの話をします。

RIOSKEさんのエンジェルはすごくパワフルでかと思いきや一瞬ですごく色気を放ったり、1面だけで語れないくらいいろんな顔を持ったエンジェルだなぁと思いました。

I'll cover youは本当に大好きすぎて東宝版の歌詞を頑張って聞き取って覚えたくらいなんですけど。特に「あなたはキング、私のお城の」「いや君こそクイーン、跪こう」ってところが死ぬほど好きで、ここのRIOSKEさんのエンジェルがコリンズ可愛くて仕方ない!って言う愛おしさに溢れていてとても素敵でした。

ちなみに光永さんの「いや君こそクイーン…」の歌詞で「いや」の部分めっちゃ細かく音程が分かれてるのに絶対外さないのめっちゃすごいと思ってます。

 

ジョアンヌとモーリーン

このカップルほんと好き。

宮本さんのジョアンヌはめっちゃバリキャリなのにモーリーンに振り回されている感じがたまらなくかわいいんですよねぇ。

鈴木瑛美子さん初見なんですがめっちゃ可愛いからこれはそりゃかわいいねベイビーって誰もかれもに言われちゃうよね、そしてまたジョアンヌが気が気でなくなるんだろうな笑

Take Me Or Leave Meがほんと死ぬほど好き(死ぬほど好きな曲がRENTには盛沢山だから寿命を超えているかもしれませんね)。

英語版では「あなたがグラウンドホックの格好をして抗議するのはいい案とは思えない!」というジョアンヌのセリフがあるんですが、グラウンドホック(ウッドチャックのが分かりやすいとは思う)が日本的に一般的じゃないからか東宝版では「モグラの格好」に変えられているんですよね。モグラの格好で抗議するモーリーン…見たいぞ笑

モーリーンの「ミス・ハーバード!」の言い方がとっても捻くれてて可愛いので全人類に聞いてほしいし何なら着ボイス(懐かしい)みたいなのにしたい。

La Vie Bohèmeはモーリーンの自由さが突き抜けている曲だと思う。ボヘミアン達と誰彼構わずイチャイチャしちゃうし、元カレのマークとふざけて●●のモーションすらしちゃう*2

そんなモーリーンがTake Me Or Leave Meで「これが私!受け入れて!制限しないで!」って歌うのやばくないですか?そりゃジョアンヌも「めちゃくちゃは許さない」って怒るわ。

 

ミミ

ミミは正直ジェニファーさんのミミがはまりすぎていたから一番心配してたんですけど歌唱力おばけですか。

いや、ミミ自体がショーガールだし、歌唱力のある役なんだけど、遥海さんのミミの歌ほんとめっちゃ綺麗、澄んだ歌声だった。ただちょっと言葉はね…片言が気になる2015の時のユナクロジャーみたいなイメージ。

こればっかりは仕方ないけどユナクさんも2017ではめちゃ流暢になってたし今後に期待したいです。

歌の時は片言気にならないんだけどね…。後半のWithout You、すごく好き。ミミのソロパートでミミの弱さが見えるんですよ。でもミミは決して弱いだけじゃない、怖いけど立ち向かえる強さがあるし、そのためならベニーも利用するっていうところが強かでかっこいい。

そう考えるとロジャーはメンタル弱い男の子なのよねぇ…。

 

 

 

と、ここまでいろいろ語ったんですがこのコロナ禍の中、劇中に声を出すのは禁止とされております。

RENTのいいところはOver the Moonで観客全員でムームー声を上げるところだったりすると思うんですが、それができないのがとっっっっっっっっても物足りない!!!!!

ムームーボードが公式グッズとして売ってたり、拍手で参加はできるけどやっぱムームー声に出して言いたいよねぇ…。今年は仕方ないけど来年以降のRENTではムームー言えますように。

 

 

さて、まだあと2回分チケットを取れているのでしっかり楽しみたいと思います。

 

興味のある方はエンジェルシートなどのチャンスをしっかりものにしてね!

 

*1:ミュージカル『RENT』にはまった熱狂的なファンを指す語である

*2:さすがに伏字にさせてもらったんですがお顔にぶっかけるモーションでした